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【マレーシアの給与事情】現地人の方が日本人よりも貰っている? -2019年版

こんにちは!KL-WINGの上田です。
KL-WINGの姉妹サービス、Seekersというサービスを最近頑張って運営しているのですが、このサービスはマレーシア人専用のサービス。
マレーシア人の方たちと毎日格闘しているわけですが、日常生活以上に日本人とは違ったことが多いと感じる日々。毎日とてもエキサイトしています。
特に給与面についてはマレーシア人の方たちの感度は非常に高く、「本当にこんな沢山の任務こなせるの・・・?」と思うような無茶振り求人でも、給与が高いと喜んで皆さん応募してきてくれます。
世の中カネ!というとシンプルすぎますが、マレーシアは経済格差の表面化が著しく、ある程度のお金があると日本とは比べ物にならないぐらい贅沢で楽しい体験ができるのは間違いないです。
そんなマレーシア、皆さんどうやってお仕事を探しているかというと・・・Jobstreet.com.my。これが強い!
 
マレーシア中の求人が一挙に集まっている、いうなれば超巨大な掲示板。ここに全ての求人募集張り紙が貼り付けられているイメージです。(その為、良い仕事を探すのが結構大変なレベル。笑)
見方を変えればJobstreetは巨大なデータベース。内部の方たちがこの膨大な求人データを使って、毎年超ありがたい”給与レポート”なるものを作ってくれています。
それが下記リンク:
https://www.jobstreet.com.my/announcement/FTP/salary-report-mctf17.pdf

表紙カッケー!クリエイティブチームも素晴らしい。
と競合サービスに感動ばかりしていてはいけないのですが、一体どんな内容が書かれているかというと:

  • 地域
  • インダストリー(業界)
  • ポジション(職務)
  • タイトル(職位)

以上の項目に分けて”最低平均給与(給与レンジの最低値平均)”と”最大給与平均(給与レンジの最高値平均)”が書かれています。網羅的!!
こんなレポートがあると、社員に対して給与のごまかしは出来ない、もはや無用だと思ってしまいます。
今回は、KL-WINGで日本人を、Seekersでマレーシア人をやっていながら改めてレポートを見てみて面白いと思った部分について、幾つかご紹介できればと思います。
では、いってみましょう!
 

1.そもそも地域格差ってどうなっているの?

Jobstreetさんの網羅的なリスティングですが、その重要項目に”地域”が入っているのは面白いです。
つまりは、地域格差があるということは明瞭で、どれぐらいの格差(何%の格差)があるのか、というのが知りたくなっちゃいます。
ただ、East Coast(ケランタンとか)に関しては5種目しかレポートがないため、こちらからAccounting、Hotel、Manufacturingの3つに絞ってみてみます。
ということで、まずは職位がマネージャークラスで各業界の最大給与平均を並べてみると・・・
Accounting

  • 北部: RM6,335
  • 中部: RM7,830
  • 南部: RM7,000
  • 東海岸: RM5,167
  • 東マレーシア: RM6,600
    • 格差:34%

Hotel

  • 北部: RM5,900
  • 中部: RM7,588
  • 南部: RM6,331
  • 東海岸: RM5,167
  • 東マレーシア: RM5,650
    • 格差:46%

Manufacturing

  • 北部: RM8,371
  • 中部: RMRM8,476
  • 南部: RM7,899
  • 東海岸: RM10,360
  • 東マレーシア: RM8,775
    • 格差:31%

これは面白いデータセットになりました!
まず、業界によって平均給与の順位はあべこべで、必ずしもKLだから高い!とは言え無いみたいです。
業界平均値で言えば間違いなくKLがある中部の給与が高いのですが、製造業に関してはどうやら東海岸、ケランタンがアツいようです。(これは僕の予想ですが、ワーカーの給与が安いため、マネージャーレベルの方たちはより多くもらえる余裕があり、かつそれぐらいあげないと帰ってきてくれないからでは?と思っています)
ただ、格差レートはこの3業界で言えばぜんぜん違う!と言うわけではなく、一番良い所と一番悪いところでは大体30%〜45%の格差という感じです。
地域格差は確実にありますが、それは業界によって違うため、少なくとも自分の業界ぐらいはチェックしておいたほうが良いかもしれないですね。
 

2.タイトル(職位)が上がると、どれぐらい上がるの?

日本人でもタイトルを気にする方はいますが、マレーシア人の”タイトル気にするレベル”は凄いです。めっちゃ気にします。
なんで?と思うことが僕個人ではよくあるのですが、その謎について給与額から解き明かしてみたいと思います。
ということで、地域はKL、業界は3つ。高給与かつスペシャリティ志向の強いIT、マレーシア代表で伝統的給与体系が見えそうなOil & Gas、そして数値には厳しそうでまともな上がり具合になってそうなAccountingの3つから見ていきます!
IT

  • Senior Manager: RM14,363
  • Manager: RM8,676
  • Senior Executive: RM5,607
  • Junior Executive: RM3,576
  • Entry Level: RM2,859
    • EntryからJunior 25%、JuniorからSenior 57%、SeniorからManager 55%、ManagerからSM 65%

Oil & Gas

  • Senior Manager: RM16,007
  • Manager: RM10,600
  • Senior Executive: RM6,030
  • Junior Executive: RM3,200
  • Entry Level: RM2,666
    • EntryからJunior 20%、JuniorからSenior 88%、SeniorからManager 75%、ManagerからSM 51%

Accounting

  • Senior Manager: RM15,911
  • Manager: RM7,689
  • Senior Executive: RM4,637
  • Junior Executive: RM3,454
  • Entry Level: RM2,646
    • EntryからJunior 30%、JuniorからSenior 34%、SeniorからManager 66%、ManagerからSM 107%

なんか見にくい!!
けど、縦に見ると面白いということを発見。まず、EntryからJuniorでは20%〜30%というところでしょうか。
スタート地点がRM2,600とかなので、実際に上がっている金額がRM800とかなので、インパクトは薄めです。
次にJuniorからSeniorですが、これはバラバラでなんとも。。。一番上がり幅が大きいのはOil & Gasですね。基本的に巨大企業の多いこの業界では、Seniorになることがとても大変なのかもしれません。Seniorになれば大きなお金を動かせるポジションになり、重要性が増すことが予想されます。
逆にAccountingについては34%と、あまり変わらず、3業界比較では最も低い数値です。汎用性のあるスキルで流動性の高い業界とも言えるため、この程度の昇進ではまだ大きく上がらないという感じでしょうか。
3つ目に、Senior からManagerですが、ここでもOil & Gasは一番上げてきます。早くもRM10,000の大台に突入し、皆憧れOil & Gasの理由が何となくわかってきます。しかし、現実問題ここまで昇進するのはかなりの競争だと思うので、美味しい話の裏には何かあるというのは常かもしれません。
一方ITについて触れていませんでしたが、今回の上がり幅は一番低いです。しかし、55%という数値だけに着目すれば、かなりの伸びです。個人的にはITが一番綺麗に給与が上がっており、ManagerでRM8,600という、現実的な数値感だと感じています。
最後にManager からSenior Managerですが、、、急にどうしたAccounting!!!と突っ込みたくなる脅威の100%超え。最終的にはどの業界もいい感じに並びました。笑
 
長くなってしまいましたがまとめると:

  • 昇進のタイミングによって上がり幅がだいぶ違う
  • 業界ごとに上げ幅はバラバラ
  • でも最後はみんなRM15,000近くでてハッピー

それぞれの業界を想像すると、その昇進がどんな意味を持って、それに対してどれ位昇給しているのか、なんだか筋が通っているように感じてきました。
 

3.日本人の最低給与(RM5,000)に到達するのはどんな仕事?

第2章でRM15,000とかまとめてしまった手前、RM5,000が凄く低く感じてしまうのですが、、とりあえず現実的な目線に戻して最後にこちらをまとめます。
まず、マレーシアで日本人が働こうとすると、ビザの関係上確実にRM5,000(15万円ぐらい)が支給されます。
これはマレーシア人からすればもちろん「もらってますね〜」な金額なのですが、日本人だとそのありがたみがわかりづらく、時にそれは社内で紛争を起こす原因にもなります。
日本人として日本語・文化を学んだことはこれぐらいの価値があるのか!ということを実感しつつ、マレーシア人の方たちへ更なる感謝をできるよう、これを最後の分析項目としました。
 
KLだけに絞って見てみると、RM5,000というのは旅行業界のマネージャーの最低給与平均、保険業界Senior Executiveの最高給与平均と同じです。
つまり、既に2つ、3つと昇進を重ねてきた、それなりに強者達と同じ給与です。
また、日本人がよく貰うレンジとしてはRM5000〜RM10,000です。
こちらはちょうどManagerクラスのレンジと近似しており、よく駐在の方が「日本人を現採で雇っても、Managerクラスの給与だからね〜」と話していますが、まさにその通り!なのです。
マレーシア人で構成された部署を一つ束ねられるようなレベル感を見せつけられないと、確実に社内のマレーシア人から「あの日本人、なんであんなに貰っているの?」となるわけです。
なんなら、マレーシア人を見下した話し方をするなんて言うのはもっての外で、そんな事続けていたら社内紛争は必死です。
海外就職は厳しい!
改めてそう思いましたが、僕も新卒で海外にやってきて、タイ人の方たちにボコボコにされながら頑張って生きることが出来たので、今からマレーシアを考えている方も”やる気”だけはフル装備して来て頂ければ大丈夫だと思います。
 
そんなマレーシアですが、2019年現在、日本人の仕事が急激に増えていて(2017年の3倍のポジション数!)、就職のハードルも下がってきています。
「英語わからん。。。でもこれから勉強したい!」という方でも応募できる語学力不問求人をKL-WINGにてリストアップしているのでぜひご確認ください。
また英語ができてスキルも活かしたい!という方はこちらの全ポジションリストをどうぞ!
 
KL-WING
上田

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